【日本一周ツーリング2周目(2)】【2019年春(2)】登別温泉~長万部
2019年春のツーリング2日目。
宿泊中のホテルの朝食が7時からと言うことだったので、自転車ツーリングの朝としては少し遅めの6時半に今朝は起床した。
7時10分前に、ダメ元でホテル内のレストランへ行ってみたところ、時間前ではあったがちょうど今から朝食可能と言うことだった。
滝本インの朝食はバイキング形式となっており、白米や味噌汁の和食にするでも、パンやジャムの洋食系にするのも自由だった。
ここでホテルに大変申し訳ないことをしてしまった。何をしてしまったかと言うと、ご飯をよそった茶碗をお盆に乗せた時に、お盆をひっくり返してしまい茶碗を割ってしまったのである!
レストランの従業員がいち早く気付いて下さり、すぐに片付けに来てくれたので、後ろに並んでいた人達にはそれ程迷惑にならずに済んだのは幸いだった。割ってしまった茶碗の弁償とクリーニング費用の負担について申し出たが、「いえ結構です」と言うことで勘弁して頂けたのも有難かった。
朝からアクシデントとなってしまったが、気を取り直して再度お盆を抱えて朝食の列に並び、朝食をテーブルに持ってきた。
そんな訳で、これが今日の朝食である。
キャンプ生活になると基本的に朝はパンの朝食になると思うので、今回は敢えて和食系の朝食にしてみた。
朝食を終え、部屋を片付け、チェックアウトした。
そして、各バッグ類を自転車に取り付けて出発準備が整った。
ちなみに、ホテルの玄関フードのような場所なので、今回はオイル差しは遠慮しておくことにした。
ホテルを出発し、まずは国道36号に戻るべく昨日登ってきた道道2号を下っていった。
昨日よりはましらしいが、今日も気温は低く外は肌寒かった。
服装としては、スキー用に使用しているモンベルのヒートテック系のインナーを着て、その上に半袖のジャージを着て、その上にウィンドブレーカー。さらにその上にレインウェアを着込んでいる。
下はパッド付きのインナーパンツを穿き、その上に自転車用の伸縮性のあるズボン。さらにその上にその上にウィンドブレーカーの下を穿いている。
普段の春のツーリングの時の半袖、七分丈の格好を思うと、今シーズンの格好が如何に重装備かが分かるだろう。
昨日の登別温泉周辺は雪がちらついている天気だったが、雪が積もる程ではなかったのは幸運だった。それでも路面は結構濡れていた。
そして、それだけ気温が低いと言うことは、当然路面にも影響があるのだが、まだ朝早く少々寝ぼけ眼だった私にも少々油断があったらしい…
いい勢いで下っている最中、緩い右カーブに差し掛かった時だった。車体を右に傾けてカーブを曲がっていると、いきなり前輪後輪が同時に横滑りしコントロールを失ったのである!
ちょうど日陰になっている場所で、どうやら濡れた路面がそのまま凍結してブラックアイスバーンになっていたようなのである。
そのまま道路左奥へコースアウトしてしまったのである! 転倒することなく、運良くクリートも外れてくれて足を着いて停車できたのは幸いだった。コースアウトした先も山側の斜面だったのも幸いだった。
これがもし逆の左カーブで後続に車が居たり、右側崖だったらと思うと急に恐ろしくなってしまった。
そんな恐怖体験をしたとあっては、暫くはブレーキを多めに効かせて、超スローで下っていったのは言うまでもない。
国道36号へ出た後は、道なりに海岸沿いを進み始めた。
国道36号の方は、写真のような乾いた路面になってくれていた。
青空で天気は良かったものの、相変わらず気温は低く顔が冷たかった。これでは当分レインウェアは脱げなさそうになかった。
国道36号合流から室蘭市街までの区間では、去年の秋の室蘭白鳥大橋ツアー時の事が懐かしく思い出されていた。
Oさんと逸れた後に暫く待ったローソン、そして35km/hで駆け抜けたそこから先の道がとにかく懐かしかった。
室蘭市街に入り、伊達紋別駅方面の国道37号へと道を変えた。
製鉄所を周囲に見ながら国道37号を進んでいくと、程なくしてその奥に大きな橋が見えてきた。"白鳥大橋"である。
上の写真のところからもう少し進むと、白鳥大橋方面へと進む分岐の交差点に差し掛かった。
去年秋の室蘭白鳥大橋ツアーでは、写真中央の橋部分は完全に走破し、右奥のループ手前のところまで自転車で走った事になる。感慨深い気分である。
10:26、"道の駅 だて歴史の杜"の前へ。
ここまで休憩なしで走ってきていたので、ここでは食べ物を口にしての補給込みの休憩にすることにした。
道の駅の建物の中には食べ物屋のテナントやフードコートがあるようだったので、そこで食べようと決めた。
食べ物は"だてのてんぷら"という店で購入。お盆の上は、かけそば、ねぎ辛てん、チーズてん、ごぼうてん、とうや黒毛和牛コロッケ。
腹が膨れたところで再び走行を開始。国道からは全く見えないが、少しの間右手が洞爺湖となっている区間を進んだ。
10連休初日の昨日が悪天候だったため今日帰省しようという人が多いのか、何となく長万部方面へ向かう車がこの辺りから増えて混雑してきた気がした。
やがて、有珠駅、洞爺駅、豊浦駅と過ぎて、そろそろ洞爺湖区間も終わると言った辺り。そしてこの後は今日最大の難所、"礼文華峠"と"静狩峠"が待ち構えているのであった。時刻は12:13。
今日は10時半頃と言う変な時間に食事を取っているが、その難所に備えるべく、豊浦のセイコーマートでも食事を取っておくことにした。
菓子パンとペプシ。それとホットシェフのフライドチキンを買ってきた。このホットシェフのフライドチキンは自分的にかなり好きである。
セイコーマート前を出発すると、道はすぐに登り坂に変わった。この辺りから既に礼文華峠になっているのか、それとも名もなき丘なのかは不明である。
やがて2kmくらい登ったところに豊泉トンネルと言うトンネルがあり、そこでその登りは終了。一転して下り坂となった。
これで礼文華峠が終わりなら楽なものだが、この登って下るのセットが3回(もしかしたら4回だったかも?)あるのがこの区間の特徴。それぞれ標高は200mに満たずそう高くないものの、自転車乗りにとっては難所と言わざるを得ないのである。
実はそのアップダウンを1回だけだがパスすることが可能だったりする。1回目のアップダウンの後にある『←大岸 2km』の青看板を左折して道道608号を経由するルートである。
距離的には道道608号を経由すると遠回りになるが、写真のような海岸線沿いの平坦路となっており、登坂がない分自転車乗りが楽できるルートとなっているが特徴。
道道608号沿いには"大岸シーサイドキャンプ場"と"礼文華海浜公園キャンプ場"、少し内陸側に入ったところに"豊浦町 森林公園キャンプ場"という3つのキャンプ場がある。
そのキャンプ場利用者と思われる車が時折通りかかるくらいの交通量で、道が空いているのも有り難いところである。今日の帰省ラッシュの交通量を考えると益々有り難いところだった。
道道608号の進行方向右手には実はJR室蘭本線があり、こちらはそのトンネルとなっているが、こうして見ると意外と凄いところを走っているらしい。トンネルも自然に還りかかっているし。
この道道608号へ迂回するルートは、数年前にその存在を知って今回が2度めの通行となる。その前回の時は特に問題なかったが、何と、今回は途中で舗装道路が終わって砂利道に変わってしまったのだった!
まさかこのまま国道37号に再合流するまでずっと砂利道? と一瞬不安になってしまったが、上の写真の右カーブの先ですぐに舗装道路に戻ってくれたので、砂利道を走ったのは実質100mくらいの区間だけで済んでくれた。
再び国道37号に戻り、再び登り坂。今度の登りは1つ目の登りよりも遥かに険しいのであった。地図的にこの辺りが礼文華峠に当たる区間となっていた。
道道608号と国道37号の合流地点から、距離にして約10km…。礼文華峠は静狩トンネル手前まで続くのだった。
さあお次は静狩峠! …と、意気込んでみたが、実は豊浦から長万部へ向かう場合は、静狩峠は下りのみとなる(忘れていた)ので、ちょっと拍子抜けしてしまったw
こちらは静狩峠の高所から見た噴火湾と国道周辺の様子。
この小さい写真からだと伝わりにくいと思うが、狭く入り組んだ険しい峠道とトンネルから解放され、パァとひらけた広々とした空間に出た時の嬉しさと感動は何物にも代えがたいものがある。これは実際にここを走ってきた自転車乗りだからこその感想だと自分は思う。
静狩峠を下り平坦部へ出た。ここから長万部市街地まではほぼ真っ直ぐの直線が続くのである。
後方には今しがた越えてきたばかりの静狩峠と礼文華峠の山々が見えていた。
長万部市街地に入り、今回はそのまま真っ直ぐキャンプ場へと移動。15時過ぎに今日の宿泊先"長万部公園キャンプ場"に着いた。
テントサイトの利用料は500円。それを支払った後、テント設営場所を決めるべく軽く場内を回ってみた。
結果、管理棟のすぐ近くが比較的空いていたのでそこをテント設営場所に決めた。食事の時に便利なベンチもあるし、近くには池もあり中々の立地だと思う。
難点を言えば、炊事場とトイレまでちょっと距離があるが、まあそう何度も利用する訳ではないので問題ないだろう。
テント設営後がこちらの2枚。
管理棟の軒下に設置されている自動販売機で、朝食時にコーヒーを調達できるのも有り難い点である。
今年のテントも昨年までと同様で、アライテントのエアライズ2をそのまま使用するが、このテントも使用年数10年目となり、さすがに防水性能が落ちてきているのを感じていた。
テントに虫食い穴ができているのと、シームテープが剥がれてきているのがその主原因。
シームテープは剥がして新しいテープをアイロンで圧着すれば良いらしいが、草のにおいも付いてきているし、そろそろ買い替えることも検討中である。
テントの中で荷物の整理をし、昨日と今日着た服をコインランドリーで洗濯するのと入浴をする目的で出掛けることにした。
テントの外に出ると、ちょうど管理棟で受付を終えたばかりの自転車乗りが自転車を押してテントサイトへ移動して来るのが見えた。自転車のリアキャリアには定番のオルトリーブのサイドバッグが2つ。自転車乗り自身はかなり長身で、顔には金色の髭。どうやら外国人の単身自転車旅行者の様だった。
自分があっさり見送った『単身での自転車旅行海外編』、それを余裕でこなすあたり凄いなぁと感じた。
条件反射的に手を振ってみると、その自転車乗りも手を振り返してくれた。
会話は特にせずに、その自転車乗りは私から少し離れた奥の方にテントを張るようだったので、私も当初の予定通り洗濯をしに出掛けることにした。
自転車に乗ってやって来たのは、こちらの"長万部温泉ホテル"。
ツーリングマップルによると、この長万部温泉ホテルにはコインランドリーも設置されているということ。
入浴しながら洗濯も同時に済ませてしまえる効率の良さから、他の日帰り入浴施設ではなく、こちらの長万部温泉ホテルを利用することにした訳である。
脱衣場内には洗濯機が1台、乾燥機が1台設置されていた。それと、脱衣場にはコインロッカーはなかったので、貴重品はホテルの受付に預かってもらう形を取った。
洗濯機は使用中で終了まで残り5分だったので、それが終わって自分の洗濯物を投入してから浴室へ移動することにした。
やがて洗濯機の終了時間直前、若い人が洗濯機の前にやって来た。私が次に使いたいのを察したらしく、急いで洗濯物を乾燥機に移してくれたのが有難かった。
少し話をしたところ、どうやら若い人は自転車乗りらしく、今日は札幌からここまで走ってきたと言うこと。
驚いたことに、何と中山峠経由ではなく国道5号経由でここまで約180kmを走ってきたと言うことだった。それでいて私よりも先に到着していて先に洗濯を始めている事実! これが若さか…。
長万部温泉ホテルの温泉はかなり熱い湯だった。だがその熱さがちゃきちゃきの江戸っ子には堪らなかった(←なんだそりゃ)。その熱い温泉で、今日の疲れはかなり取れたと思う。
洗濯の時間はたしか45分くらいだったと思う。そうすると、入浴を終えたタイミングでも当然まだ洗濯は終わっていないし、乾燥機の方もまだまだ稼働中だった。
着替えて一旦脱衣場を出て、休憩スペースへ。
乾燥機使用中の若い人も休憩スペースに居たのが見えたので、その近くの椅子に座って待つことにした。
若い人はかなり勤勉な人らしく、参考書と紙のノートを開いて勉強中だった。自転車旅行に分厚い参考書を持ってくるとはなかなかのツワモノである。
その勉強の邪魔になりそうだったのであまり話しかけられなかったが、少しだけ話した内容だと、明日は函館まで移動。実家は函館なので後は暫く函館に居ると言うこと。
自転車旅行と言うより、二日間で函館まで自転車で帰省するというノリのようだった。
やがて若い人は乾燥機使用が終わって退去し、私もその後に乾燥機の使用が終わったので退去した。
次の予定は夕食。長万部と言えば『カニ』、定番の"かなや"に行こうと決めていたのだが、どうやら今日は15時で閉店しているらしく断念。
高速道路開通の影響もあるらしいが、他のカニ料理のレストランはその大部分が廃業しているようで、栄えていた時期を知っている身としては寂しい限りだった。
かなやの少し先に"かにかにKAN魚粋"というレストランがあり、そこは営業しているようだったので、今日の夕食はそこで食べることにした。
注文したのはこちらの"かに・いくら丼" 1,650円(税込)。
少し予定と違う夕食になってしまったが、こうしてカニも食べられたので良しとしよう。
夕食を終えて外に出てみると外は真っ暗だった! 洗濯に思っていた以上に時間が掛かったためではあるが、自転車旅行でこんな夜まで行動したのは久しぶりである。
リアフラッシュランプを点滅させ、ヘルメットに付けたフラッシュランプも点滅させてキャンプ場までの帰路に着いたのは言うまでもない。
途中、セイコーマートで明日の朝食と飲料を買った後、長万部公園キャンプ場へと戻った。
キャンプ場に戻ってみると、出発前には無かったテントが私のテントの近くに沢山増えていた。
自転車がそばに置いてあるテントも(外国人の旅行者以外で)、3つ近くに設営されているようだった。
今日はもう遅いので挨拶は出来そうにないが、明日の朝にでも顔を合わせられたら良いなぁ…とそんな風に思った。
今日は久しぶりのテント内での夜になったが、勝手知ったる我が家とでも言うべきか。あっという間に適応してしまう私だった。
■走行ルート
■2019/04/28(日) 晴れ
ルート: 登別温泉~長万部
走行距離: 125.69km
平均速度: 18.7km/h
最高速度: 47.4km/h
獲得標高: 951m
-------------------------------
宿泊地: 長万部
宿泊先: 長万部公園キャンプ場

宿泊中のホテルの朝食が7時からと言うことだったので、自転車ツーリングの朝としては少し遅めの6時半に今朝は起床した。
7時10分前に、ダメ元でホテル内のレストランへ行ってみたところ、時間前ではあったがちょうど今から朝食可能と言うことだった。
滝本インの朝食はバイキング形式となっており、白米や味噌汁の和食にするでも、パンやジャムの洋食系にするのも自由だった。
ここでホテルに大変申し訳ないことをしてしまった。何をしてしまったかと言うと、ご飯をよそった茶碗をお盆に乗せた時に、お盆をひっくり返してしまい茶碗を割ってしまったのである!
レストランの従業員がいち早く気付いて下さり、すぐに片付けに来てくれたので、後ろに並んでいた人達にはそれ程迷惑にならずに済んだのは幸いだった。割ってしまった茶碗の弁償とクリーニング費用の負担について申し出たが、「いえ結構です」と言うことで勘弁して頂けたのも有難かった。
朝からアクシデントとなってしまったが、気を取り直して再度お盆を抱えて朝食の列に並び、朝食をテーブルに持ってきた。
そんな訳で、これが今日の朝食である。
キャンプ生活になると基本的に朝はパンの朝食になると思うので、今回は敢えて和食系の朝食にしてみた。
朝食を終え、部屋を片付け、チェックアウトした。
そして、各バッグ類を自転車に取り付けて出発準備が整った。
ちなみに、ホテルの玄関フードのような場所なので、今回はオイル差しは遠慮しておくことにした。
ホテルを出発し、まずは国道36号に戻るべく昨日登ってきた道道2号を下っていった。
昨日よりはましらしいが、今日も気温は低く外は肌寒かった。
服装としては、スキー用に使用しているモンベルのヒートテック系のインナーを着て、その上に半袖のジャージを着て、その上にウィンドブレーカー。さらにその上にレインウェアを着込んでいる。
下はパッド付きのインナーパンツを穿き、その上に自転車用の伸縮性のあるズボン。さらにその上にその上にウィンドブレーカーの下を穿いている。
普段の春のツーリングの時の半袖、七分丈の格好を思うと、今シーズンの格好が如何に重装備かが分かるだろう。
昨日の登別温泉周辺は雪がちらついている天気だったが、雪が積もる程ではなかったのは幸運だった。それでも路面は結構濡れていた。
そして、それだけ気温が低いと言うことは、当然路面にも影響があるのだが、まだ朝早く少々寝ぼけ眼だった私にも少々油断があったらしい…
いい勢いで下っている最中、緩い右カーブに差し掛かった時だった。車体を右に傾けてカーブを曲がっていると、いきなり前輪後輪が同時に横滑りしコントロールを失ったのである!
ちょうど日陰になっている場所で、どうやら濡れた路面がそのまま凍結してブラックアイスバーンになっていたようなのである。
そのまま道路左奥へコースアウトしてしまったのである! 転倒することなく、運良くクリートも外れてくれて足を着いて停車できたのは幸いだった。コースアウトした先も山側の斜面だったのも幸いだった。
これがもし逆の左カーブで後続に車が居たり、右側崖だったらと思うと急に恐ろしくなってしまった。
そんな恐怖体験をしたとあっては、暫くはブレーキを多めに効かせて、超スローで下っていったのは言うまでもない。
国道36号へ出た後は、道なりに海岸沿いを進み始めた。
国道36号の方は、写真のような乾いた路面になってくれていた。
青空で天気は良かったものの、相変わらず気温は低く顔が冷たかった。これでは当分レインウェアは脱げなさそうになかった。
国道36号合流から室蘭市街までの区間では、去年の秋の室蘭白鳥大橋ツアー時の事が懐かしく思い出されていた。
Oさんと逸れた後に暫く待ったローソン、そして35km/hで駆け抜けたそこから先の道がとにかく懐かしかった。
室蘭市街に入り、伊達紋別駅方面の国道37号へと道を変えた。
製鉄所を周囲に見ながら国道37号を進んでいくと、程なくしてその奥に大きな橋が見えてきた。"白鳥大橋"である。
上の写真のところからもう少し進むと、白鳥大橋方面へと進む分岐の交差点に差し掛かった。
去年秋の室蘭白鳥大橋ツアーでは、写真中央の橋部分は完全に走破し、右奥のループ手前のところまで自転車で走った事になる。感慨深い気分である。
10:26、"道の駅 だて歴史の杜"の前へ。
ここまで休憩なしで走ってきていたので、ここでは食べ物を口にしての補給込みの休憩にすることにした。
道の駅の建物の中には食べ物屋のテナントやフードコートがあるようだったので、そこで食べようと決めた。
食べ物は"だてのてんぷら"という店で購入。お盆の上は、かけそば、ねぎ辛てん、チーズてん、ごぼうてん、とうや黒毛和牛コロッケ。
腹が膨れたところで再び走行を開始。国道からは全く見えないが、少しの間右手が洞爺湖となっている区間を進んだ。
10連休初日の昨日が悪天候だったため今日帰省しようという人が多いのか、何となく長万部方面へ向かう車がこの辺りから増えて混雑してきた気がした。
やがて、有珠駅、洞爺駅、豊浦駅と過ぎて、そろそろ洞爺湖区間も終わると言った辺り。そしてこの後は今日最大の難所、"礼文華峠"と"静狩峠"が待ち構えているのであった。時刻は12:13。
今日は10時半頃と言う変な時間に食事を取っているが、その難所に備えるべく、豊浦のセイコーマートでも食事を取っておくことにした。
菓子パンとペプシ。それとホットシェフのフライドチキンを買ってきた。このホットシェフのフライドチキンは自分的にかなり好きである。
セイコーマート前を出発すると、道はすぐに登り坂に変わった。この辺りから既に礼文華峠になっているのか、それとも名もなき丘なのかは不明である。
やがて2kmくらい登ったところに豊泉トンネルと言うトンネルがあり、そこでその登りは終了。一転して下り坂となった。
これで礼文華峠が終わりなら楽なものだが、この登って下るのセットが3回(もしかしたら4回だったかも?)あるのがこの区間の特徴。それぞれ標高は200mに満たずそう高くないものの、自転車乗りにとっては難所と言わざるを得ないのである。
実はそのアップダウンを1回だけだがパスすることが可能だったりする。1回目のアップダウンの後にある『←大岸 2km』の青看板を左折して道道608号を経由するルートである。
距離的には道道608号を経由すると遠回りになるが、写真のような海岸線沿いの平坦路となっており、登坂がない分自転車乗りが楽できるルートとなっているが特徴。
道道608号沿いには"大岸シーサイドキャンプ場"と"礼文華海浜公園キャンプ場"、少し内陸側に入ったところに"豊浦町 森林公園キャンプ場"という3つのキャンプ場がある。
そのキャンプ場利用者と思われる車が時折通りかかるくらいの交通量で、道が空いているのも有り難いところである。今日の帰省ラッシュの交通量を考えると益々有り難いところだった。
道道608号の進行方向右手には実はJR室蘭本線があり、こちらはそのトンネルとなっているが、こうして見ると意外と凄いところを走っているらしい。トンネルも自然に還りかかっているし。
この道道608号へ迂回するルートは、数年前にその存在を知って今回が2度めの通行となる。その前回の時は特に問題なかったが、何と、今回は途中で舗装道路が終わって砂利道に変わってしまったのだった!
まさかこのまま国道37号に再合流するまでずっと砂利道? と一瞬不安になってしまったが、上の写真の右カーブの先ですぐに舗装道路に戻ってくれたので、砂利道を走ったのは実質100mくらいの区間だけで済んでくれた。
再び国道37号に戻り、再び登り坂。今度の登りは1つ目の登りよりも遥かに険しいのであった。地図的にこの辺りが礼文華峠に当たる区間となっていた。
道道608号と国道37号の合流地点から、距離にして約10km…。礼文華峠は静狩トンネル手前まで続くのだった。
さあお次は静狩峠! …と、意気込んでみたが、実は豊浦から長万部へ向かう場合は、静狩峠は下りのみとなる(忘れていた)ので、ちょっと拍子抜けしてしまったw
こちらは静狩峠の高所から見た噴火湾と国道周辺の様子。
この小さい写真からだと伝わりにくいと思うが、狭く入り組んだ険しい峠道とトンネルから解放され、パァとひらけた広々とした空間に出た時の嬉しさと感動は何物にも代えがたいものがある。これは実際にここを走ってきた自転車乗りだからこその感想だと自分は思う。
静狩峠を下り平坦部へ出た。ここから長万部市街地まではほぼ真っ直ぐの直線が続くのである。
後方には今しがた越えてきたばかりの静狩峠と礼文華峠の山々が見えていた。
長万部市街地に入り、今回はそのまま真っ直ぐキャンプ場へと移動。15時過ぎに今日の宿泊先"長万部公園キャンプ場"に着いた。
テントサイトの利用料は500円。それを支払った後、テント設営場所を決めるべく軽く場内を回ってみた。
結果、管理棟のすぐ近くが比較的空いていたのでそこをテント設営場所に決めた。食事の時に便利なベンチもあるし、近くには池もあり中々の立地だと思う。
難点を言えば、炊事場とトイレまでちょっと距離があるが、まあそう何度も利用する訳ではないので問題ないだろう。
テント設営後がこちらの2枚。
管理棟の軒下に設置されている自動販売機で、朝食時にコーヒーを調達できるのも有り難い点である。
今年のテントも昨年までと同様で、アライテントのエアライズ2をそのまま使用するが、このテントも使用年数10年目となり、さすがに防水性能が落ちてきているのを感じていた。
テントに虫食い穴ができているのと、シームテープが剥がれてきているのがその主原因。
シームテープは剥がして新しいテープをアイロンで圧着すれば良いらしいが、草のにおいも付いてきているし、そろそろ買い替えることも検討中である。
テントの中で荷物の整理をし、昨日と今日着た服をコインランドリーで洗濯するのと入浴をする目的で出掛けることにした。
テントの外に出ると、ちょうど管理棟で受付を終えたばかりの自転車乗りが自転車を押してテントサイトへ移動して来るのが見えた。自転車のリアキャリアには定番のオルトリーブのサイドバッグが2つ。自転車乗り自身はかなり長身で、顔には金色の髭。どうやら外国人の単身自転車旅行者の様だった。
自分があっさり見送った『単身での自転車旅行海外編』、それを余裕でこなすあたり凄いなぁと感じた。
条件反射的に手を振ってみると、その自転車乗りも手を振り返してくれた。
会話は特にせずに、その自転車乗りは私から少し離れた奥の方にテントを張るようだったので、私も当初の予定通り洗濯をしに出掛けることにした。
自転車に乗ってやって来たのは、こちらの"長万部温泉ホテル"。
ツーリングマップルによると、この長万部温泉ホテルにはコインランドリーも設置されているということ。
入浴しながら洗濯も同時に済ませてしまえる効率の良さから、他の日帰り入浴施設ではなく、こちらの長万部温泉ホテルを利用することにした訳である。
脱衣場内には洗濯機が1台、乾燥機が1台設置されていた。それと、脱衣場にはコインロッカーはなかったので、貴重品はホテルの受付に預かってもらう形を取った。
洗濯機は使用中で終了まで残り5分だったので、それが終わって自分の洗濯物を投入してから浴室へ移動することにした。
やがて洗濯機の終了時間直前、若い人が洗濯機の前にやって来た。私が次に使いたいのを察したらしく、急いで洗濯物を乾燥機に移してくれたのが有難かった。
少し話をしたところ、どうやら若い人は自転車乗りらしく、今日は札幌からここまで走ってきたと言うこと。
驚いたことに、何と中山峠経由ではなく国道5号経由でここまで約180kmを走ってきたと言うことだった。それでいて私よりも先に到着していて先に洗濯を始めている事実! これが若さか…。
長万部温泉ホテルの温泉はかなり熱い湯だった。だがその熱さがちゃきちゃきの江戸っ子には堪らなかった(←なんだそりゃ)。その熱い温泉で、今日の疲れはかなり取れたと思う。
洗濯の時間はたしか45分くらいだったと思う。そうすると、入浴を終えたタイミングでも当然まだ洗濯は終わっていないし、乾燥機の方もまだまだ稼働中だった。
着替えて一旦脱衣場を出て、休憩スペースへ。
乾燥機使用中の若い人も休憩スペースに居たのが見えたので、その近くの椅子に座って待つことにした。
若い人はかなり勤勉な人らしく、参考書と紙のノートを開いて勉強中だった。自転車旅行に分厚い参考書を持ってくるとはなかなかのツワモノである。
その勉強の邪魔になりそうだったのであまり話しかけられなかったが、少しだけ話した内容だと、明日は函館まで移動。実家は函館なので後は暫く函館に居ると言うこと。
自転車旅行と言うより、二日間で函館まで自転車で帰省するというノリのようだった。
やがて若い人は乾燥機使用が終わって退去し、私もその後に乾燥機の使用が終わったので退去した。
次の予定は夕食。長万部と言えば『カニ』、定番の"かなや"に行こうと決めていたのだが、どうやら今日は15時で閉店しているらしく断念。
高速道路開通の影響もあるらしいが、他のカニ料理のレストランはその大部分が廃業しているようで、栄えていた時期を知っている身としては寂しい限りだった。
かなやの少し先に"かにかにKAN魚粋"というレストランがあり、そこは営業しているようだったので、今日の夕食はそこで食べることにした。
注文したのはこちらの"かに・いくら丼" 1,650円(税込)。
少し予定と違う夕食になってしまったが、こうしてカニも食べられたので良しとしよう。
夕食を終えて外に出てみると外は真っ暗だった! 洗濯に思っていた以上に時間が掛かったためではあるが、自転車旅行でこんな夜まで行動したのは久しぶりである。
リアフラッシュランプを点滅させ、ヘルメットに付けたフラッシュランプも点滅させてキャンプ場までの帰路に着いたのは言うまでもない。
途中、セイコーマートで明日の朝食と飲料を買った後、長万部公園キャンプ場へと戻った。
キャンプ場に戻ってみると、出発前には無かったテントが私のテントの近くに沢山増えていた。
自転車がそばに置いてあるテントも(外国人の旅行者以外で)、3つ近くに設営されているようだった。
今日はもう遅いので挨拶は出来そうにないが、明日の朝にでも顔を合わせられたら良いなぁ…とそんな風に思った。
今日は久しぶりのテント内での夜になったが、勝手知ったる我が家とでも言うべきか。あっという間に適応してしまう私だった。
■走行ルート
■2019/04/28(日) 晴れ
ルート: 登別温泉~長万部
走行距離: 125.69km
平均速度: 18.7km/h
最高速度: 47.4km/h
獲得標高: 951m
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宿泊地: 長万部
宿泊先: 長万部公園キャンプ場



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