日本縦断ツーリング[PART5]【2013春 南西諸島編】(14)石垣島~与那国島

 石垣島周辺エリア2日目、そして全日程14日目の朝を迎えた。
 今日は与那国島へフェリーで渡り、日本最西端へ行く日。私の自転車ライフにおける節目となる日の1つである。

 5月初旬なのにさすがは沖縄、もう寝苦しいくらい夜も暑かった。そんなわけで昨夜は、なかなか寝付けなかったが、それでも日が変わる前くらいには何とか眠りについたと思われ、その後朝5時の起床までぐっすり眠っていた。
 
 朝食を食べた後、テントを片付けて出発準備が整ったのは6時少し過ぎだった。
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 キャリアにバッグを付けて、トランクバッグにホクレンフラッグを立てていると、昨日キャンプ場のチェックインのことを教えてくれた隣のテントの人が声を掛けに来てくれた。
 私はこれから出発することと、(昨日話してはいたが)今日は与那国島へ行ってそこで宿泊することと、その翌日にまたここ米原キャンプ場へ戻ってくる予定であることを手短に話した。
 そんな私の話を聞いて隣人は、「いよいよだね、気を付けて行ってらっしゃい~」と言った激励の言葉を掛けてくれた。

 隣人に一旦の別れを告げた後、自転車を押して進み、去り際に軽く頭を下げてキャンプ場を出発した。
 県道79号に出て、昨日走った道を逆に進んだ。県道87号とのT字路の交差点を右折し、すぐに於茂登トンネルへ入った。結構スピードが出るので、どうやらこのトンネルは南方面へ下りになっていたらしい。トンネルを出た後は石垣市まで県道87号を真っ直ぐ進むが、全体的に緩い下り基調の道なので30kmオーバーのスピードがコンスタントに出ていた。
 そんな快調なペースで進んでいると、いつの間にかロードバイクの人が私に追いついてきたらしく、バックミラーに写っていた。結構頻繁にバックミラーを見ている私、そんなチェック頻度を上回る勢いで追いついて来たロードバイク乗りなのでスピード差は歴然、間違いなく速攻で追い越していくものと決めつけていたのだが、どういう訳かこのロードバイクの人は、一向に私を追い越して行かず何故か石垣市の市街地が直前に迫るあたりまでピッタリとスリップストリームされてしまった。

 そんな状態で、やや高い場所から石垣市市街地が見渡せる場所に差し掛かった。
 折角だから写真を撮っておきたいと思った私、一応真後ろにいるロードバイク乗りが追突しないようにと、左手を斜め下に出す左ウィンカーの意味の手旗信号を出してからゆっくり減速を開始した。ロードバイク乗りは私の意図を理解したらしく、右からサッと抜き去って街へと消えていった。

 昨日は真っ直ぐ空港からキャンプ場へ移動し、訪れなかった石垣市街。その遠景がこちらである。
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 ちょうど目の前に自販機があったので、休憩がてら乾いた喉も潤しておいた。いつもならコーラにするところだが、折角の沖縄なので、ここは沖縄特産のシークワーサーの飲料にした。
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 石垣港に到着した。
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 石垣港は、西表島、竹富島、鳩間島、小浜島、黒島、波照間島、そして今日渡航する与那国島の7つの島へ渡ることができる重要な港となっている。そのため、人の行き交いが活発で、今回のツーリングで見てきたどの港よりも活気があると感じた。
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 今日乗る与那国島行のフェリーの出港時刻は10時。そして現在時刻は8時前と、出港1時間前までに乗船手続きを完了させるには全然余裕な時間。それでも一応は早めに乗船手続きをやってしまおうと、与那国島行フェリーの"フェリーよなくに"を運行している福山海運の事務所へと移動した。
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 事務所の窓口にて、旅客運賃3460円と自転車運賃1150円を払い乗船手続きを終えた。たしか氏名と住所を紙に書く作業はなかったと思う。
 窓口の人の話では、船はもう停泊していていつでも乗船可能と言うこと。確かに港の方を見ると"フェリーよなくに"は既に停泊されていて、作業員が荷物の積み下ろし作業をやっているのが見えた。さすがに今すぐに乗船するのは早すぎる気がするので、とりあえずまずは昼食の買い出しにでも行くことにした。

 福山海運が運行するのは、日本最西端のある与那国島行の"フェリーよなくに"だけではなく、(一般人渡航可能の)日本最南端の島 波照間島行の"フェリーはてるま"も運行している。日本最西端と日本最南端の両方へ船を出すフェリー会社と言うと何とも格好いい響きである。
 そんな"フェリーはてるま"も、"フェリーよなくに"の近くに停泊されていた。
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 石垣港からちょっとだけ市街に入ったところでココストアを見つけたので、そこで今日の昼食に食べるおにぎりと惣菜を仕入れた。その後真っ直ぐ戻らず、港を軽く見て回ったり、港湾施設に入って船の時刻表も貰ってきたりした。そうやって時間を潰し、福山海運の事務所前に戻ってきたのは8時半過ぎになっていた。
 10時の出港までまだ時間はあったものの、そろそろフェリーよなくにに乗船して船内でくつろぐことにした。

 愛車を押して船の車両甲板に続く乗船口の方へ進んで行くと、近くにいた係員が「乗るのかい?チケット見せて」と声を掛けてきた。先程窓口で買ったチケットを見せると、後は係員の方で車両甲板の方へ移動させて自転車を固定すると言う話と、私は一般客の乗船口から乗船する旨を言われた。
 私がこれまでに乗った全てのフェリーでは、自分で車両を車両甲板へ移動させて、自分は車両甲板内の通路から客室へと移動していたので、こういった愛車と別々の乗船は初めての出来事だった。車両甲板内の写真が撮れないのはまあ良いとしても、愛車がどのように車両甲板内で固定されているかが分からないと言うのは、どうにも不安な気分だった。

 愛車を係員に預けて、自分は一般客の乗船口へと向かった。
 フェリーと言っても、フェリーよなくには鹿児島から那覇まで乗った巨大なものとは比較にならないくらいの小船。写真に写っているタラップなどは、係員が1人で下ろすことが出来る簡易的なものであった。
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 後方甲板はこんな感じ。マリックスラインのフェリーだと、ここにヘリポートまであって恐ろしく巨大だったなぁ。
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 港の対岸には、別の島へ渡る別会社の船が停泊されているのが見えた。このフェリーよなくには、確かにマリックスラインやマルエーフェリーよりもかなり小型のフェリーではあるが、それでも対岸に停泊されている高速艇等と比べると比較にならないくらい巨大な船なのである。
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 船内へ移動した。こちらは寝台スペースとなっていた。
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 カーテンが開いていた寝台があったので少し中を見させてもらうと、ご覧のように布団ではなく、(こういうの何て言うのか分からないが)すのこのようなものが敷かれていた。
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 与那国島周辺の海域は常時波が高いことで有名で、実は今回乗船したフェリーよなくには、別名"ゲロ船"と言う不名誉なアダ名まで付けられていると言うこと。フェリーの乗船時間が往路も復路も10:00~14:00という日中帯なのに寝台が36台もあることや、追加料金無しで寝台も好きに使えることは、そのへんの絡みなのかもしれない。

 私はどういう訳か船酔いには全く縁がない人間。そんな訳で、別段昼間から寝台で横になる必要性を感じなかったので、通常の座敷スペースを居場所にすることにした。船内を移動して、こちらがその座敷スペースの前。
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 室内はこんな感じで、座敷が3区画あった。
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 まだ誰も乗船していない出港1時間半前の船内なので、居場所は選び放題。とりあえず、今回は窓が近くにあり、壁際にコンセントのあるこちらを居場所に決めた。
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 今晩はキャンプ場ではないので多分充電のことを気にする必要はないのかもしれないが、念のため携帯電話と携帯ゲーム機を充電しつつ、地図を眺めたり、携帯ゲーム機で遊んだりした。
 そうこうしているといつの間にか出港時間の10時直前になっていた。乗船時には一人ぼっちだった座敷スペースも、出港直前の時間ともなると、私の他に後2人が利用していた。他は無料の寝台スペースの方にでもいるのだろうか。(写真は出港直前の甲板から)
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 10時になりフェリーよなくには石垣港を出港した。
 言われていた通りで最初はそれ程でもなかったが、西表島を過ぎた辺りから船は徐々に揺れが大きくなってきて、そのうちじっと立っているのが厳しいくらい前後左右上下に揺さぶられる感じになってきた。座敷スペースの他2人は毛布に包まって早々に横になっていたし、確かに気分が悪くなる人が多いのは頷けるそんな揺れ方だった。

 そうそう、今日与那国島に来ることにした理由を少し書いておく。
 私の日本縦断は北東に位置する北海道から徐々に南西方面へ進行してきているので、石垣島の次は石垣島のすぐ隣に位置する西表島にするのが妥当で、与那国島は最終回か、最南端の波照間島を廻ってからにする妥当だと思う。
 最初はそうしようと考えていたのだが、よくよく調べてみると、与那国島へ渡るフェリーは石垣発 火・金、与那国発 水・土と便数が少なく、今回の日程では5/7(火)石垣発、5/8(水)与那国発しかありえなかったと言うのが、今日を与那国島にした一番の理由。
 飛行機を使えば日にちの制限はなくなるが、船に比べて飛行機の方が料金がかさむと言うのと、初めて行く先に船便があるのに、時間的に有利な飛行機を使うのは何かズルしている気がする、と言うのが第2第3の理由だった。そんな訳で今日は与那国島に決定していたのだった。

 14時近くなって船窓には与那国島がはっきり見えるようになってきた。遠目には島全体の海抜高度が高いように見える。海岸線は切り立った絶壁なのだろうか。
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 与那国島の久部良港に到着した。
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 若干の入港遅れ、その後愛車を受け取るのに若干待ち時間が生じ、与那国島で愛車に乗って走りだしたのは14時半頃になっていた。
 与那国島に着いてまず行く場所は、写真の看板にある"西崎展望台"。
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 こちらの写真を見てもらうと分かると思うが、西崎灯台や西崎展望台のあるこの西崎と言う地が日本最西端、日本の一番西に位置する場所になるのである。
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 展望台と言うだけあり、西崎展望台は久部良港からちょっと登ったところにあった。
 その西崎展望台の駐車場がこちら。上の方に灯台と展望台が見える。
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 ここから先は舗装された遊歩道になっているようなので、愛車を押してゆっくり進むことにした。脇に並んで生えている背の低いソテツの木が気分を盛り上げていて、何か武者震いがしてきた!ブルブル。
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 こちらの建物が西崎展望台。
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 こちらが西崎灯台。
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 こちらは沖縄海邦国体採火記念の太陽の火という石碑。
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 そして、こちらが日本国最西端之地の碑である!
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 ついにここまで来た!最西端の碑の前に愛車を並べて写真撮影する日が来るとは、自転車を買うまでは全く予想していなかったが、これは凄い、凄すぎる~~。やった~~!
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 今回は日本最西端の写真大盤振る舞いと言うことで、少し距離を置いた位置からの写真がこちら。
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 灯台の下辺りから撮影した写真がこちらになる。
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 2009年に日本最北端の宗谷岬。2010年に日本最東端の納沙布岬。そして今日踏破した日本最西端の与那国島。残るは日本最南端のみ!目指すは沖ノ鳥島!・・と言いたいところだが、沖ノ鳥島は一般人は渡航できない島。一般人が到達できる日本最南端は波照間島と言うことになる。その一般人の日本最南端波照間島だが、勿論今回のツーリングで行く予定になっていて、今のところ明後日の16日目を予定している。いよいよ私の日本縦断達成の日が目前に迫ってきた!よ~~し頑張るぞ~!誰もいないことをいいことに思わず叫んでしまった。。

 坂を下り久部良港に戻ってきた。
 今日は与那国島を一周するんだとか、海底遺跡を見に行くんだとか考えてきていたのだが、日本最西端で胸がいっぱいになりすぎてこの後行動を起こす気がなくなってしまった。真っ直ぐ宿泊先直行で良いだろう。
 今日の宿泊先は与那国島の北東部にある民宿さきはら荘で、既に事前予約済なのでこれから直接向かうだけとなっている。おっと、その前に、ゆうちょ銀行のATMに用があったのを忘れていた。

 私が現金をあまり使わず、クレジットカードや電子マネーを多用するカード派の人間であることは何度か書いたと思う。都市部のレストランでの食事やホテルの決済、コンビニでの買い物はカードで全然OK。予想外だったのが、最初の鹿児島港以外のフェリーの支払いが全てカードNGだったことである。一応日本全国どこにでもあるゆうちょ銀行ATMのキャッシュカードを持ってきており、現金の手持ちが無くなったらATMで下ろせば良いやと、現金の手持ちについては別段心配してはいなかったが、ポイント還元されない現金払いを繰り返すこと自体が、払えば払うだけ損した気分になって嫌で嫌で仕方がなかった。それとちまちま小銭を数えたり、お釣りを財布にしまったりするのも面倒で仕方がなかった。自分がつくづくカード派人間なんだなぁと再認識した今回の旅での一幕だった。

 久部良港の近くの郵便局のATMで現金を補充した後、島の北側の海岸線の道に出て宿泊先を目指して走りだした。
 今回、私はフェリーで与那国島へやって来たが、前述した通りで与那国島周辺海域は波が高く船は揺れることが多いので、多くの来島者は飛行機を利用するらしい。その飛行場がこちらの与那国空港である。
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 万が一海が時化てフェリーが出港できない事態になった場合は、この与那国空港から空路で移動する手段も考慮しているが、天気予報を見た感じではフェリーが欠航することは多分無さそうである。

 与那国町役場の前までやって来た。
 今日の宿泊先さきはら荘についてだが、おおよその所在地は事前にGoogleマップでチェックしていて、与那国町役場の並び辺りだと分かっていた。と言うことで、与那国町役場の周辺を一回りし、すぐにこのさきはら荘の駐車場を発見することができた。 
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 さらにすぐ近くにさきはら荘の建物も発見!到着である。まったくインターネットさま様である。便利な世の中になったなあと最近つくづく思う。

 宿泊者名簿に名前と住所を記入しチェックインを終えた。冷蔵庫の飲料は飲んだ分を後払いになっている都合上、宿泊料金精算はチェックアウトの時にする決まりらしい。チェックインの受付と食事の時間や冷蔵庫の説明、風呂やランドリーコーナー等の共同スペースの説明、そして部屋への案内、(女将さんが不在だったようで)これら全てを高校生くらいの娘さんがやってくれた。笑顔を絶やさず、説明は分かりやすく、文句の付けようのない完璧な応対だった。若いのに随分しっかりした娘だ。
 そんな感じで案内された民宿さきはら荘の今日の部屋がこちら。
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 掃除が行き届いていて居心地の良さそうな部屋である。

 愛車の駐輪だが、今回はさきはら荘の敷地内のベンチシートに構造物ロックする形にした。
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 部屋に荷物を下ろしたのが16時頃。日没までまだ時間はあるものの、宿泊客揃っての夕食となるためその時間には食堂にいないといけないし、やはり先程考えたように今日の外出はやめておくことにして、今日この後は、洗濯でもしておくことにした。今日洗濯しておけば、今回のツーリングは残り4日なのでもう洗濯は不要になるからである。

 てな感じで、洗濯したり、風呂に入ったりしていると夕食の時間になったので食堂へ。
 全員揃っていないらしかったので、完全に把握できなかったが私以外の宿泊客は、年配の男性1人、中年男性2人、中年女性1人、若い男性1人。(ちょっとうろ覚え)
 写真を撮る雰囲気ではなかったので今回は写真なしだが、夕食はハマチの刺身、イカと玉ねぎとピーマンの煮付け、おでん、豚のモツ汁(ソーキそばの汁)と言う内容だった。特別沖縄らしい料理と言う訳ではないものの、久しぶりに家庭の味の食事にありつけたのが嬉しかった。そして美味しかった。 

 夕食後は部屋で明日以降の行き先についてあれこれ考え(詳しくは明日の記事に書く)、その後は携帯ゲームで遊んだりしてのんびりくつろいでいるうちに寝る時間になった。

 今日は日本最西端踏破と言う大きな目標を果たした。それが嬉しくて仕方がない日だった。

■走行ルート


■2013/5/7(火) くもり
 ルート:   石垣島~与那国島
 走行距離: 34.16km
 平均時速: 15.1km/h
 最高時速: 52.4km/h
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 宿泊地:  与那国島
 宿泊先:  民宿さきはら荘

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この記事へのコメント

2013年07月21日 23:00
とうとう最西端!やったねぇ~。

自転車の旅だと、自分の力で来たとの思いが濃いでしょうから、達成感もひとしおでしょう。

次は、最南端かぁ~?
2013年07月22日 06:58
最西端からは、天気が良ければ台湾が見えるらしかったのですが、この日はあいにくの曇り空で残念ながらと言う感じでした。
今度来る時には是非台湾の大地が見たいですね。そう簡単に来れる場所ではないので、その今度がいつになるか分かりませんが・・。

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